看護師の仕事内容とやりがい
重症心身障害児施設で働く看護師の仕事内容や悩み、やりがいについて紹介していきます。重症心身障害児施設特有の業務があり、この仕事でしか得ることのできないやりがいがあります。
仕事内容
看護師の主な仕事内容として挙げられるのは、生活介助、入浴時の処置、たん吸引、バイタルチェック、服薬管理、褥瘡・皮膚ケア、メンタルケア、ご家族との連絡、報告書作成などです。ただし、重症心身障害児施設は身体障害や知的障害などの症状によって利用者が分けられる場合がほとんどなので、施設によって仕事内容は異なります。一般的な病院勤務よりは医療行為が少ない傾向にあり、介助業務については介護スタッフに任せている場合があります。また、夜間オンコール体制をとっている施設もあります。
これらの仕事をするために必要なスキルとして挙げられるのは、利用者の状態をいち早く見抜く観察力、呼吸器・たん吸引・経管栄養の知識、各種障害についての知識です。
特有の悩み
介助業務を介護スタッフに任せている施設の場合、医療的な知識の浅いスタッフに対して病状についての指導を行う機会がありますが、その際に意見の食い違いや介護スタッフの意識の低さに悩むことがあります。様々な分野の職種が連携しながら仕事を進めていきますが、こういったコミュニケーションのズレが生じることも少なくないようです。
また、重症心身障害児施設は重度の障害を持つ利用者だけではなくそのご家族と接する機会が多くなります。医師から息子の喉頭分離手術をすすめられた母親が、手術後にボディイメージが変化してしまい、子どもと疎遠になってしまった様子をみて心を痛めるなど、つらい現実に直面することもあります。
やりがいも大きい
重い障害がありながらも、利用者である子どもたちは一所懸命生きています。ケアを通して接していくなかで、その子たちの笑顔をみることができた瞬間は本当に大きなやりがいを感じますし、自分の与えられた使命に対して強い責任感を持って日々を生きていけます。また、児童のケアと同時にご家族との関係性も大切です。そのため、積極的にコミュニケーションをとる必要があるのですが、そのなかでご家族から学ぶことも多く、日々新しい発見があって楽しいと感じている看護師が多いようです。また、重症心身障害児施設で働くことで看護の基本に立ち返ることができます。誰のための看護なのか、看護師として必要な心構えをあらためて知ることができます。
勤務時間の面では定時で帰れることが多く残業や夜勤がない職場が多いので、家庭を持つ看護師にとってはメリットが大きいです。