経験者向けステップアップ研修
新人向け1年目研修を経験した看護師や重症心身障害児看護の経験がある看護師に向けて、ステップアップ研修が用意されています。この研修を通じてより深く業務に必要な知識や技術を学び、専門職としてのスキル向上を目指します。以下に、ステップアップ研修の一例を紹介していきます。
2年目以降の研修体制
2年目になると、ナイチンゲールの看護論を下敷きにしたKOMI理論を用いて様々な事例を学んでいきます。これを学ぶことで、療育チームのメンバーとしての役割をより深く理解したうえで看護を実践する力が身につきます。また、自身のケア観について考えるきっかけになります。
3年目にはチームリーダーとしての能力を身につけるために、リーダーの役割や目標設定について学びます。研究論文の作成・発表を通じてスキルアップを図ります。このころには自身のケア観が固まってきます。
4年目以降は、各職種の役割を理解したうえで実践につなげる力を養います。具体的にはプリセプターとして新人の指導に携わる機会が多くなるでしょう。
キャリアアップコース
キャリアアップを望む看護師向けに、キャリアアップコースを設定している施設があります。このコースでは目標管理を通じて重症児の専門的なトータルケアについて学びます。目標設定や熟練度に応じて受講内容が分かれており、学びたい内容を自ら選択し、スキルを習得していきます。
管理者になるためにはマネジメントスキルが必要です。看護師以外の職種と連携して業務を行うため、保育士や介護福祉士、リハビリスタッフ、指導員などそれぞれの役割を理解し、必要な情報を引き出す力が求められます。そのためには、他職種と同じ視点でケアプランを立てる姿勢が求められます。
海外研修や院外研修
ある程度経験を積んだ看護師向けに、さらなるステップアップを目標に海外研修を用意している施設があります。例えばある施設ではオーストラリアのブリスベンにある施設に訪問し、日本と海外の考え方やシステムの違いについて学ぶ機会を設けています。また、韓国に訪問して韓国の福祉事情やボランティアに対する姿勢を学び、日本に持ち帰って現場に活かす取り組みを行っています。別の施設では選抜された看護師を対象に海外研修を行っており、それぞれが個別の目的を持って参加した後、そこで得た発見を持ち帰り他の職員へ還元しています。
また、数年勤務した看護師向けに院外研修への参加を支援している施設もあります。他施設での実習や看護研究を通して、知識や技術の幅を広げることができます。